マジシャン マルコ・テンペストから学んだ「疑いを保留して人生を楽しむ」ということ


TED.comでマジシャンのマルコ・テンペストのプレゼンが面白かったので紹介します。
YouTubeにはなかったので、TED.comのサイトからもし良かったら見てみてください。
↓↓↓
マルコ・テンペスト 「拡張現実がつくり出す魔法」



photo credit: Express Monorail via photopin cc




疑いを保留する能力

マジックは欺きですが、みんなが楽しめるような欺きです。 欺かれることを楽しむには観客は疑いを一時保留する必要があります。
詩人のサミュエル・テイラー・コールリッジはこう言っています。
「私が書く時には、真実の見かけを与えるべく努め、想像力の幻を生み出し、ひと時の間疑念を保留しようと思わせることで詩的な信頼を築く。」
フィクションの中における信頼はあらゆる劇場的体験の本質となるものです。
私たちはみんな疑いを保留することに長けていて、毎日行っています。
小説を読む時にもテレビを見る時にも映画を観にいく時にも、喜んで架空の世界に入り込んでヒーローを応援し、会ったこともない友人のために泣きます。


マルコが言っているように、人には「疑いを保留する」能力があると思います。
そうすることで、どんどん物語にのめりこんでいく。時には、あたかもその場に自分がいるかのように。楽しみ、喜び、悲しむ。
良い/面白い小説や映画を楽しんでいるとき、その物語に「疑いを保留する」能力を引き出されます。

「疑いを保留する」能力を引き出してくれる物語は、みんなに面白いと言われるものなんでしょう。


三谷幸喜さんの「ザ・マジックアワー」って映画、ご存知ですか?
私はあの映画が大好きです。本当に笑えるし、楽しいし、ちょっと泣ける。


主人公(佐藤浩市さん)は売れない俳優で、あるきっかけでリアルな世界で殺し屋「デラ富樫(トガシ)」を演じることになります。それを本物のマフィアが本物の殺し屋と勘違いするほどの名演技を見せるのですが、その「リアルな世界」と言っているのは映画の中の世界なんですよね。


これってすごいテクニックなんじゃないかな、と思います。俳優が、映画の中で演技を演技する。なんかよくわかんなくなってしまいますが.....(笑)
私は完全に「疑いを保留」し、物語にのめり込んで、演技の中で演技する佐藤浩市さんを見てゲラゲラ笑って幸せな気分になりました。



逆に楽しめないときって、疑ってますよね。それは心が冷めているとき。
意識してしまうと疑いになります。
小説や映画の細かいところに疑問を感じ、「アレはなんかおかしい」とか「現実はあんなんじゃない」みたいな。


これってマジックだけに当てはまることではなく、人生にも当てはまることだと思います。





「疑いを保留する=信頼する=人生を楽しむ」ということ

「疑いを保留する」ということは、「もしかしたら裏切られるかもしれないけど、まあ少しだけ信頼してみてもいいかー」と似ている気がします。そして「信頼する」ことができる人は「人生を楽しむ」ことができる人なんだと思います。

疑いの目で見なければならない場合もあります。
ロジカルシンキングなんか疑いから始まるし、常識を疑わないと見えてこないものもあります。

でも。
人生を楽しんだり、心を豊かにしてくれる瞬間って、何かを「信頼」したときなんじゃないかと。

人を、自分自身を、物語を「信頼」したとき、それは大きなエネルギーに変わる。




きっと、人間が本来持っている能力を持ってすれば、
人生を楽しむことなんて簡単なんです。


Categories: , ,

Leave a Reply