ビートたけし著「間抜けの構造」を読んで、間抜け脱却!


「間抜け」って聞けば、「バカなやつ」をイメージしてしまうけど、ちょっと違うみたい。


間抜けとは「間が抜けている」つまり「"間"の悪いやつ」のことをいうようです。



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そもそも"間"とは何なのか.....?

これを言い表すのは結構難しいようですが、欧米文化にはこの"間"にあたる言葉や概念はないそう。


一方、「床の間」や「茶の間」といった空間、「間に合う」「間尺に合わない」といった慣用句があるように、日本人は"間"というものを大事にしてきた民族だと思う、と本書では言っています。
"間"とは何か?を考えることは、日本人を考えることにも通じてくる、と。



面白かったので、心に引っかかったところについて書きたいと思います。






"間"を埋めていくことで想像力は失われる

現代はなんとかして"間"を埋めよう!とする時代だとたけしさんは言っています。もうそれは病的だと。

以下本書より引用します。


映画でも3Dが流行っているけど、これも奥行きという"間"を埋めちゃうことになる。立体を具体的に説明しようとして、かえって立体的に感じなくなる。本物というか現実に近けりゃ近いほど、粗も見えてくる。平面だったら想像力が働くけど、3Dだとそれをそいでしまう。やっぱりある程度"間"がないとダメなんだけど、何か人間というのは、技術の進歩とともにその"間"を埋めようとするよね。ちょっと病気じゃないかと思うくらい。


また、たけしさんは映画の話の中でもこう言っています。


おいらはあまり映画の中で説明しないからね。説明しちゃうと意味が限定されてしまう。それが嫌なんだよ。観ている人には、もっと想像して欲しいからね。 
そこも"間"なんだと、おいらは思うよ。ギチギチに説明するばかりで"間"のない映画は作りたくない。



確かに説明が少なく"間"の多い映画は、「これはどういうことを言いたいのだろう?」とか、「今のシーンはどういう意味だ?」とかよく考えさせられる。


言われてみれば、たけしさんの映画はそういう「考えさせる」工夫がたくさんありますよね。

この前に観た「アキレスと亀」(観た時に書いたブログ「アキレスと亀」のはなし。)という映画もすごく考えたなあ。


私は、考えることは生きていくことだと思っています。
つまり、たけし映画は生きていくため力をつけるトレーニングになるということですね!



とにかく、今の時代に流されて想像力を失っていくことだけは阻止しなければなりません。






想像力を失うと「間抜け」になる

(仕事の話になってしまいますが.....)
会社の先輩方の昔話を聞いた上で、この本で読んだことと合わせて考えると、昔は色々なところで、失敗しながらたくさんの経験をする"間"があったのだと思います。失敗も必要だという寛大な"間"があった。


時代は流れ、高度成長期を終えて安定を求めてさまよっている今の日本。
ムダなく最短ルートで処理できるように、分かっていることすべてが説明され、そうあるべきだというのが常識です。


やってることと言えば、大枠で捉えればマネージャーに言われた通りのこと。
逆に言われたことができないと、極端な話「ダメ人間」扱い。

そうなってくると、「言われたことやってりゃいっか〜」ってなって、考えたり想像することがどんどん少なくなっていきます。



ほんとつくづく思いますが、つまらないですよね。
そんなの。
だからと言って別に昔は良かったと思っているわけでもありませんが。まあこれも、生まれる時代の"間"なんでしょうね。


この話に自分を重ねられる人は要注意です。
想像力をどんどん削ぎ取られ、もう間もなく訪れるであろう日本経済の崩壊のときに、何もできない、何もない人間になってしまう可能性があります。


想像力を失うと、それこそ「間抜け」になってしまうというお話でした。



他にもたくさんためになる面白いことが書かれていました。
気取らない文章で読みやすく、自分のことが「おいら」とか書いてあるし。笑
随所にたけし節が出ており、読んでるとどうしてもたけしさんが思い浮かんでくる不思議な本でした。


最近難しい本ばっかり読んでいたので素直に楽しめました。
結構オススメです。





本書の中で紹介されていた本。執筆の参考にしたとのこと。
いつか読んでみたいです。(画像がない.....)



2 Responses so far.

  1. 匿名 says:

    わけわからない

  2. Unknown says:

    コメディアンが末法宗教みたいなこと言うなよ…
    こんな本出してたんだな。。
    間抜けはむかつくけど、極悪人も見逃せないずら
    特に現代社会の闇と掛け合わすとロクなことない
    想像力は悪人がむしりとっていくもんだ

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